FOUNDER’S STORY / 前編・第1回

洞察力が鋭い末っ子、
環境問題に興味を持つ

幼少期から高校時代へ。「なぜだろう」と考える習慣と、環境問題への関心。創業につながる原点をたどります。

初回掲載:再掲載:

取材・文:米澤 智子(中小企業診断士・ビジネスwebライター/旧サイト掲載時の紹介)

中小企業診断士の米澤智子です。ビジネスwebライターとして、経営者へのインタビュー記事や、経営トピックスの記事執筆をさせていただいております。

この度、私が通っていた神奈川県立神奈川総合高校の1年先輩である相澤和宏さんが、「甘くない」小腹満たしとして最適な「玄米✕味噌シリアルバー」を開発して起業されたと聞き、これは取材せねば!と、相澤さんを突撃!

現在、シリアルバーの正式販売に向けお忙しい日々を送る相澤さん。起業に至るまでの道のりについて伺いました。

3人兄妹の末っ子、上をみて自分の行動を考える

「玄米✕味噌シリアルバー」の開発者であるジャパンエナジーフード合同会社の代表社員・相澤和宏さんは、ガツガツな「起業家」のイメージとはちょっと異なる、物腰やわらかな印象の方です。2人のお子さんのパパでもあります。

「僕は兄・姉の次で3人兄弟の末っ子であることもあってか、兄姉がやっていることを見てから、自分がやる方法を考えていましたね」

子どものころの相澤さんは、兄・姉が先にやっていた失敗や成功をよく観察してから行動していました。身体が小さく体力が弱かったこともあり、兄・姉の失敗を自分はやらないようにすることで、大人の目線で見れば「効率よく」物事を進めていたといいます。

「ベンチャー企業によくある、ガツガツいくタイプの起業家がいわば『外車』であれば、僕は少ないガソリンで長い距離を進む、省エネの国産車タイプじゃないかな。しかも軽自動車笑」と振り返るように、相澤さんは、自分自身でも、ちょっと違ったタイプの起業家と認識しているようです。

旧サイトのインタビュー第1回に掲載された幼少期の写真
旧サイトのインタビュー第1回より。幼少期の写真。

夜に「課題解決」を考える子ども時代

相澤さんは、幼少期から「世の中にある課題を解決するにはどうすればいいか」と考えていたそうです。

「子どもの頃って、夜9時に寝なさいって親に言われますよね。でも僕はなかなか眠くならなかったんです。でも起きて行ったら怒られるし。そこで、テーマを決めてあれこれ思考を巡らせていました。23時くらいまで考えていたんじゃないかな」

他の子どもが夢を見ている中、夜中に思考を巡らせていた相澤さん。このことから、相澤さんには「何事も自分で考える」癖がついたといいます。

下水処理施設から、環境問題に意識を向ける

小学2年生の時、下水処理施設を見に行ったことがきっかけとなり、相澤さんは環境問題に興味を持ちます。

「下水処理施設って、『汚れている水をきれいにする施設』ですよね。でも、そもそもなんで水が汚れるんだろうって思ったんです。水が汚れなければ、下水処理施設なんていらなくなるじゃないですか」

小学校2年生の相澤さんは、「下水処理施設で、汚れた水をきれいな水に変えている」という事実の裏側にある、「汚れた水を出さないためにはどうすればよいか」という課題を見つけていたのです。

ここまで深い洞察力をもった小学生は……なかなかいないのではないでしょうか。

環境問題を取り扱う「エコ局」の立ち上げ

環境問題に興味を持った相澤さんは、環境問題を学ぶ科目がある神奈川県立神奈川総合高校に入学。ここで「エコ局」という生徒会の機関を立ち上げます。

「『エコ局』でやっていたことは2つあります。一つは、生徒の環境問題への意識の向上で、『環境シンポジウム』という催しを企画・開催しました。

もう1つは『エコロジー&エコノミー』。環境活動を行うことで、実は経済的にもメリットがあるということを伝えたいという想いからだそう。2000年前半の当時ではこの考えを持って活動する企業はあまりなかったのではと思います。10年後くらいに、結構大きな企業がCMで全く同じ言葉を使っているのをみて、当時は先進的すぎたかなと笑」

「エコロジー&エコノミー」の具体的な取組みとしては、在校生や卒業生が、使わなくなった教材などを譲り合う取り組み「物品継承」を実施。筆者も、使わなくなった教科書を出した覚えがあります。

起業する人としない人の違いは「課題を見つける力」

相澤さんのお話を伺っていると、幼少期から「課題を見つける力」を養っていることが分かります。

「こうなったらいいのに」という思いは、誰しもが持つものです。しかし、それは表面にでている「問題=起こっている事実」を認識しているに過ぎず、解決策を考えるところまで発展していません。

一方、相澤さんは「課題=解決のための取り組み」とポジティブに捉え、よりよい状況になるよう「解決策を考える力」と、それを実行に移す「行動力」を持ち合わせているのです。これは、起業をする人が多く持っている力であると私は感じます。

高校生までに「解決策を考え得る力」を十分に養った相澤さん。次回は、相澤さんがこの「行動力」を高めるフェーズとなる、「社会人になってから起業するまで」を伺います。

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